恐れの向こう側

暗闇を歩くのは怖い。「一寸先は闇」という言葉もある。知らない事は「恐怖」を招く。

未知に対しての対応には個人差がある。とりあえず挑むか、門を閉ざしてしまうかである。

門を閉ざした時の行動も多様である。事実を受け入れるか、受け入れないかである。

物事を受け入れられない時に、心を平らにするか、乱れるかもまた、分かれ道である。

乱れを受け入れるか、攻撃的になるかも人それぞれである。

「食わず嫌い」という言葉がある。挑戦せず、挑戦しなかった事実を受け入れるが、対象に対し心を閉ざし、過剰に拒否をする。

誰でも何かしらの具体事象について思いが巡りながらこれを読んでいる事だろう。

ひとつだけ言うと、俺は味見しないものは批判しない。試してみて何が駄目だったかを言いたい。便所の落書きにも、ポリシーは必要だ。

他人と距離を取れば、飛沫を浴びる可能性は低減する。だが、ゼロにはならない。透明なビニールを張ればウィルスを多少は防げるかもしれない。だが、お釣りは受け取る。ビニールの向こう側の人が触れた金は受け取るのに、商品は受け取るのに、ウィルスだけは受け取れない。

見えないのに。自分が既に店内のどこかで触れたかもしれないのに。

疑うことばかりではなく、確かな事から始めたい。まずは自分が持っているものを撒き散らさないためにマスクをする。自分の手を殺菌してから物を触る。買い物から帰ったら手洗いとうがいをする。買ったものを家で使う前に消毒する。

恐れる前に、できることをしたい。最大限どこまでやったかを確認して初めて、別の可能性がある。最初から外に原因を探すのは無意味に思うから。